株式会社ローリン

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2020.02.16

ビジネス

仕事は軸足と「ズラし」を使って模索する

こんにちは。代表の佐藤です。

この記事では、僕が会社の事業を営む上大切にしていることのひとつを書いていきます。

この記事は、佐藤の個人noteで書いた記事を整えて転載しています。

まずは軸足づくりがどうしても必要

事業、というか仕事をする上でまず最初につくらなければいけないものとして、「軸足をどこに置くか」があると思います。

ウチの会社はまあまあ色々細かく手を出しててぜんぶ中途半端になってる感もありますが(苦笑)、やはり軸足は僕が会社員時代に培ったものに置いています。言葉にするなら「営業感覚のあるクリエイティブ」といったところでしょうか。

僕は制作するものに対して大きな愛はありますが、こだわりはないんです。(自分の子供は愛しているけど、どう育ってくれても大丈夫、みたいな笑)

「かっこいいから」とかでは全然決めなくて、「このかっこよさ、いる?」って思っちゃうほうで、それより「いま本当に必要なものってどれですかね・・・」みたいな形で考えて、それに付随して制作もします、といったスタンスです。

だから「とにかくかっこいいクリエイティブ」を求める企業さんとは結構相性悪いなーと思って、社内でデザインをされる会社さんとかは特に苦手です。価値観が超すれ違うことが多いので…。そういった仕事の打診があったときは、知人のクリエイターをご紹介することが多くなっています。もちろん「かっこいい」が求められる場面もあるのは全然否定しないので、棲み分けだと思ってますが。

ただし僕みたいな「営業感覚のあるクリエイティブ」を持ってる人は結構多いと思っていて、大した差別要因になりません。したがって単価を上げにくい。じゃあどうする?って話で、そこで「ズラし」が登場します。

この「ズラし」という言葉は、継続的に色々教えていただいている方から学んだものです。

軸足をもとにズラしていく

僕の場合はまず、

・取引先の決裁フローを汲み取って
・担当者の仕事が楽になるようなことを
・クリエイティブを添えて素早く提供

することを考えていて、これが仕事に取り組む上での軸足といえるものです。でもそれだけじゃ厳しい。いい感じで使われてジリ貧になる可能性だってある。

そこで僕は、クリエイティブの質を上げるでもなく、営業感覚を磨くでもなく、クライアント側になってみようと考えたのです。

受託制作もひとつの事業であるとはいえ、ある程度「人の褌で相撲を取る」ところがありますが、これではクライアントの気持ちは本当のところでは理解できないと感じて、自分の商売をするべきだと考えたわけです。これによって、ある意味ほんとうに、クライアントの気持ちが理解できるはずだと。

そして現在自社で営んでいる事業は、今までクライアントワークで度々携わってきたWebメディア運営とECサイト運営。

ここがズラしだと思っています。

いままでやってきたことの軸足はそのままに、フィールドをズラす。よくベンチャー界隈では「ピボット」という言葉を聞きますが、当たらずとも遠からず、というところ。

今回は制作能力とWebサイト運営の知見はそのままに、顧客をクライアントからC(と自社)に変えました。

要件をクリアした成果物を納品したら、結果に関わらず報酬が支払われるのが受託事業。でも自社事業は、自分が主体的に向き合わないと利益が出ません。

投資を回収するために必死で、「ここはこだわらずにさっさと世の中に出そう」とか「ここはもう少し我慢して質を高めよう」といった判断を、常にしています。

これって僕らが色々お手伝いしている企業さんは、常にやってることですよね。

この感覚を得ることで、受託事業にもさらに鋭い感覚で向き合うことができるようになりましたし、作って納めて終わりではなく、継続的な売上を得られるようになりました。

この辺のことは今読んでるこの本に詳しいので、読んでみてください。

ストーリーとしての競争戦略

また、自社でWebサイトをつくることができるのに、完全外注でパートナーさんにほぼ丸投げしたのも同じ理由です。そこそこまとまったお金を支払ってプロに依頼する気持ちを、改めて理解できました。顧客目線ではなく顧客視点というか。

コンサルティングファームのコンサルタントの言うことはなかなか信じられないけど、実業で結果を出した人のコンサルは普通に受けたいのと同じようなものかなと思います。

今後もこの「ズラし」のイメージは常に持っていたいと思っていて、いま手がけている事業からもどんどんズラシていきたい。

また、軸足を持つことによって、あまりにも共通点のない事業アイデアにはかなり二の足を踏むようになるので、いいストッパーにもなると考えています。

柔軟に変われることと、そうでないもの

僕の場合はクリエイティブだとか対人コミュニケーションに軸足を置いて色々と考えていますが、これは人によって大きく変わると思うんです。例えばエンジニアだったら技術的なところや知識かもしれないし、デザイナーだったらもっと深いところでのデザインの得意領域かもしれない。

でも例えば、それらをUI設計に広げてもいいし、ディレクション方面に広げてもいいと思うんです。

どちらにせよ、軸として何かを持っていないとつらいし、軸足と反対の脚は柔軟に動かす意識がないと厳しいのではないでしょうか。

今回のGoogleの色々とか、noteがどんどん存在感を増していることとか、やっぱりTwitter強いなあだとか、それらのカウンターとしての動きがあったりとか、世の中がどんどん5年〜10年単位で変わっていきます。いままで「これでイケる」と思っていたことがサクッと陳腐化しちゃうことも多いですよね。

そんな時代に合わせて柔軟に自分を変えていけないと、ビビリの僕はどうしてもジリ貧になっちゃうと常に思うわけです。

でも、やっぱり軸足だけは、自分でしっかり意識しないといけないと思います。自分自身の拠り所というか。「最後はそこに落とす」という決め球というか。そういうのは持っていたいですよね。

あなたの軸足はどこにあるか、改めて考えてみるのもいいのではないでしょうか。

著者情報

佐藤崇史
佐藤崇史代表取締役
Webの色々を中心に、様々なモノ・コトを使ってお客様のビジネスををサポートしています。特に地方で頑張る中小企業の業績を一緒になって伸ばしていくのに生きがいを感じます。自社Webメディア複数運営。最近はゲーム配信も少々。

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