株式会社ローリン

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2020.04.28

ビジネス

ITやWeb、ネットが苦手な地方の事業主からの搾取を少しでも減らしたい

ITやWeb、ネットが苦手な地方の事業主につけ込むひとたち

先日Webが苦手な店舗オーナー向けのビジネスについて聞いて、ちょっと嫌な気分になったのでこれを書いています。

このビジネス、巷では「MEO」というおかしな名前で呼ばれる「Googleマップで上位表示させます」というものです。

ラーメン中区

これは、「ラーメン 中区」で検索した結果です。

この場合は「中区」と入れましたが、通常(Googleに位置情報を利用することを許可していれば)、地名を入れなくても現在地近くの店舗などを表示してくれるはず。そもそも名古屋市にいるのであれば、「名古屋市」無しの「中区」と入れるだけで名古屋市中区の店舗が出ます。

この検索結果画面に表示されるのは現在3つ。

今回聞いたのはこの3つの枠に表示させることを謳うビジネスのようです。

と言っても確実に上位表示する方法なんてありません。

だから僕のような業界の端くれにいる者でも、どちらかというと誠実な人間なら「え、それどういうこと?なんかのチート?」ってなります。

で、詳しく話を聞くと、「あー、そういうことか…」というものでした。

ネットが苦手なひとにつけ込むビジネス

今回情報を得たビジネスはこのようなものでした。

  1. Googleマップで上位表示したら1,000円/日(最大31,000円/月)
  2. 初期費用15万円

これ、おわかりかと思いますが、キモは確実にもらえる初期費用の方です。

確かに月30,000円という金額は少ないものではありませんが、100店舗契約したとしても300万円程度の売上です。

また、上位表示できるのは競合も含めて3店舗のみなので、報酬を得る機会はかなり減るはずです。しかも確実に上位表示する方法はないはず。

そもそもどんなクエリを指定するのかすらよくわかりませんし、依頼側もそこの重要性は認識していないでしょう。

仮にビッグクエリで狙うとしても、クラウドワーカー等に依頼して口コミや評価を大量につけることも可能でしょうが、過去のGoogleのアルゴリズムの進化を見ると、そんなものはどこかのタイミングで見破られ、手動などによるペナルティを受ける可能性も高いですよね。

ペナルティを受けると、Googleマップ上に表示されなくなりますので、リスクが大きすぎます。そしてきっとそのペナルティ解除にもお金を請求されるでしょう。どこかのSEO会社と同じですね。

これらのことから、上位表示の成果報酬はおまけレベルであり、本筋は初期費用だということがわかります。

さらに言えば、無料で使えるGoogleマイビジネスの情報を自分で充実させるだけで、確実ではないものの上位表示を狙うことは可能。これにお金を払ってしまっているわけですね。

要するに、今まで「ネットのことはよくわからん」といろいろと放置している個人店等から安くない初期費用を取って、誰でもできる基本的な登録をし、さらに運良く上位表示したらその分のお金はもらう、というビジネスなんです。

こんなの僕に相談があったら「自分で30分で登録できるし、その後のケアも自分でやればタダですね!」って即答します。というより「そのくらいはご自身でやりましょう案件」です。

でもネット関係を「苦手」と決めつけてしまっているような、Googleマイビジネスというものを知らないひとは、こういった無駄なお金を払っているケースがままあるようです。

しかもどうやらこのビジネス、まったく別の事業をやっていた「直電アポ営業」が得意な会社がしかけているみたいで「めっちゃオイシイっすよ!」って言っているとかいないとか。

そのくらいの知識レベルでやっている仕事に、初期費用と運良く上位表示した成果報酬を支払うなんて、ちょっとバカバカしいと思いませんか?

以前から感じてたモヤモヤ

僕の周りもWeb・IT・クリエイティブ関連のお仕事をしているひとがたくさんいます。そのほとんどのひとが、誠意あるビジネスを展開しています。

そして、

「そこでお金をもらっても、ねえ…」

という話は、そういった同業者内でも割と出てきます。例えば保守費名目でのサーバーやドメイン費用の立替など。(依頼側からしたら煩わしさからの開放という面では一定のメリットがあると思いますが)

このような誠意ある経営方針を貫くWeb系の会社は、電話や飛び込み営業をしなくても仕事が切れないところが多いので、本当に求めているひとたちにその存在が届かないことがほとんどです。

そしてその届かない人たちに対して、営業力のある企業による情報格差につけ込んだビジネスが横行しているのも事実ですよね。

もちろん、営業力が強い会社をすべて否定しているわけではありません。

営業力というのは大きな武器ですし、ビジネスは弱肉強食でもあるので、モラルは必要だと思うものの全否定はしません。

それでも、WebやITの力は絶対に必要だけど「わからないから」という理由で、どこかの企業の営業さんに丸投げしている状況は、損をしている可能性があるのです。

今回のコロナの件であぶり出されたように、店舗を持つことが前提のビジネスというのはイニシャルが高額な割に利益率が低くなる傾向にあり、かつ売上の上限も決まっていることが多く、潤沢な資金を持っている企業や事業主は少ないと思います。

やりがいや楽しさが大きいとは感じるので、これまた否定するわけではありませんなんなら羨ましいとすら感じています。

その少ない利益から大きなお金を抜いていくビジネスは、提供元が成果に向き合えないのであれば、やはり警戒するべきだと思います。

今回のGoogleマップの問題を始め、SEOやSNSマーケティングなども同じですね。

それで成果が出るなら「自分で商売やれば?なんで人に勧めてるの?」です。様々な投資の営業と一緒ですね。

ここに、こういったビジネスの矛盾があると思ってください。

税理士や社労士と同じように

こういった企業から何やら効果が出そうなWeb施策の営業が来たときに、一番いいのは相談できる相手がいること。

でもそういった、頼りになる相談相手がいることは稀ですよね。

WebやITに関することを相談する場合、何かのきっかけで知り合った人や、以前何らかの依頼をしたWeb制作会社、広告代理店の営業社員、または自社と同じような事業を営む経営者仲間などに聞いて、自分で判断していることがほとんどではないでしょうか。

しかしここで挙げた人に、専門的な知識を持っていそうな人はほとんどいません。

Web制作会社の営業かディレクター、もしくは社長が一番近そうですが、それでも何の依頼もしないのに相談なんてできませんよね。

そう、お金を払ってないと、「あの人詳しそうだな」と思っても相談できないんですよね。

常々僕が残念に思うのは、Web・IT面のサポートをしてくれる人に対して、顧問報酬を支払う習慣がないことです。

これが例えば税理士さんや社労士さんのように顧問報酬を支払っていたとしたらどうですか?

実務はもちろんのこと、気になったことを自身で調べる手間を省いてガンガン相談できますよね。彼らはそれをサービスとして提供しているわけですし。

そしてそれは普段、それほど活用していないはずです。少なくとも僕はそうです。月に一度も相談してません。

これと同じように、WebやITに関する「頼れるひと」を見つけたら、普段はそれほど活用する機会がなくても、薄謝でいいのでいつでも相談できる体制を作っておいて欲しいのです。

例えば僕が長くお付き合いしているお客さんの何社かは、特に何もしなくても毎月「Webサポート費用」といったかたちで報酬をいただいているところがあります。

何もしないと言っても、何か相談があれば優先度高く調べて返答しますし、多少手を動かす場合でもほぼ原価レベルで対応します。

また何も言われなくても気がつくことがあれば「こうしたらどうですか?」といった連絡はします。

僕の知る限りではありますが、ある程度まとまった金額をもらった上で成果にコミットした形でコンサルティングを行う企業や個人は知っていますが、相談ベースでの困りごと対応をしてる顧問契約はそれほど聞いたことがありません。

でも、「ネットのことだったらあの人に聞けば色々教えてくれる」という人、いたら便利だと思いませんか?

今後、さらにネットを使った業務改善がどんどん進む状況で、税のことだったら税理士さん、労務関係だったら社労士さんに相談するのと同様に、「WebやITのことだったら○○さん」という状況をつくるのは、決して事業を営む上で間違った判断だとは思わないのです。

以前だったら事務職の社員を雇って行っていたような仕事が、ネット上の様々なサービスで半ば自動化できるようになっているわけですが、それを活用するためにもこういったアドバイスを適切に受けられる体制を作っておくのは、総じて、それも大きく「お得」だと考えています。

顧問契約のFP(ファイナンシャルプランナー)が少ないのと同じ理由

僕が知る限り、ファイナンシャルプランナーさんはおそらく殆どの人が保険の手数料で収入を得ていると思います。

※違ってたらごめんなさい。

だから基本的に、なんとか保険を売ろうとしますよね。そういうビジネスモデルですからこれは仕方がない。

売りたい気持ちがあからさまな人もいれば、とても上手にお話してくださる人もいるのは、僕も保険の契約者として実感してます。でもどちらにせよ彼・彼女たちの収入が、僕らの保険料の一部から出ているのは間違いのない事実です。売上に対する歩合制の場合、保険会社が注力している保険商品や自分のマージンが厚い商品を売ろうとするのが自然です。

ただこれを、顧問料に置き換えたらどうでしょう。

顧問契約の場合、顧客の発展と信頼が第一ですから、専門家として全商品をフラットに見て、顧客にもっとも適した保険を紹介することができるはずです。

顧問契約ではないにも関わらず既にそうしている方がいるのも知っていますが、そうではない事例も多く知っています

これと同様に、WebやITについても誠実な会社に顧問料を支払っていれば、顧問先企業の業績向上が自身の契約にも直結するわけですから、フラットな目線で最もメリットの出るアドバイスをするはずです。

よくある例としては、「こういったシステムが欲しい」という相談があった場合に、既存のサービス(SaaS)を組み合わせれば自社で制作すること無く、非常に安い月額料金などで使えるようになるなど。

これが顧問料を支払っていない場合、システムを構築・納品して利益が出るわけですから、どうしても受注を前提としたポジショントークになりがちなんですよね。

僕も専門外のことについては「支払報酬」で顧問的にサポートしてもらっている

ここまで「WebやITにも、詳しい人に顧問報酬として払ったほうがいいですよ」というスタンスで書いてきました。

でもここで少なくない方が感じるであろうこととして「結局ポジショントークでしょ?」ということです。

正直に言うとその側面、無くはないです。すみません、すべての言葉は基本的にポジショントークだと思っています。

でも僕も、会計士さんや社労士さんはもとより、Webに関することについて各方面のスペシャリストに月額報酬をお支払いして、いつでも相談できる体制を整えています。むしろ会計士さんや社労士さんよりたくさんのお金をお支払いしています。

ECのプロ、システム構築のプロ、コンテンツマーケティングのプロ、Web広告のプロなど。

会社経営における会計や労務などと同じように、Web関連の業務についても複数の専門領域を組み合わせてようやく機能することが多いので、自分の能力だけでは全領域を賄うことができないのです。

社員が数十人いるようなWeb系企業でも、同じように専門職に顧問として加わってもらっている事例も多く見受けられます。

そして顧問契約をした専門家の知識を、自社のクライアントに間接的に提供しているわけですね。

自分の周りだけでも、モヤモヤを解消したい

さてどうしてこの記事を書いたかという本題に入ります。ここまでは序曲です。

僕はもう、怪しいSEOとかSNSマーケとか、MEO的なものに(半ば無駄に)お金を払っている、という話をできるだけ聞きたくないんですね。

そういう話を耳にするたびに、教えてあげられたらよかったのにと思う反面、「まあお節介だし、口出すのやめとこ」ってなっちゃう。僕はほんとはものすごくお節介な性格なのですが、グッとこらえます。

僕の知人・友人だったら、LINEで相談してくれたらすぐ返信しますが、企業間取引をしている間柄だとなかなかそういうわけには行きません。

僕も、知人に業務上の相談したいことがあっても、普段取引がないとできません。でも月にいくらかの報酬を支払うことによっていつでも遠慮なく相談できるので、とても助かっているんです。

そしてその安心感を、数は少ないながらも周囲の方に提供できないかなと考えたのです。

ということで、正式にWeb周りのサポートプラン(仮)はじめます

今後、周囲の方が少しでも便利に、そして無駄なお金を払うこと無くWebを活用できるように、いつでも相談できるプランを提供します。

以前から一部のお客さんとはこういったかたちで報酬を頂いていましたが、それを正式にご紹介できるようにかたちにします。

ただのWebに詳しい人というだけでなく、会社を経営する上で業務効率化のために様々なサービスを使っていることから、事業主・経営者の方にお話できることも多いと感じます。

改めてサービスのページをつくりますが、月10,000円くらいで考えています。

これで大きな利益を出すことは考えてない(というか多くの方に提供するのが僕のリソース的に難しい)のですが、日頃感じる「それ、もう少し前に相談してくれたら…」を減らしたい。

ただし無償ではできないし、そうなると相談もしづらいと思います。こちらも仕事として対応可能な範囲かつ双方大きな負担にならない金額として、このくらいが妥当だと考えました。

ただし10件くらいで対応できなくなると思います。大きな利益が出せないビジネスだとおわかり頂けましたでしょうか。

もちろん僕だけでは解決できないことも多いので、強力なパートナー陣の力を借りてサポートします。

※この時点で既に、事業単体では利益が出ません笑

ただし、こちらからの提案は基本的になしで。あくまで相談所としてとらえてください。

「金払ってるんだから提案しろよ!」

といわれると、「それではコンサルフィーと成果報酬についてご相談を…」となりますので。それはお互いあまり幸せになれなそうな。

ということで、よかったらお問い合わせください&周囲に困っている方がいたらご紹介ください。

とはいえ困ってることが可視化されないのが問題でもあるんですけどね。。。

著者情報

佐藤崇史
佐藤崇史代表取締役
Webの色々を中心に、様々なモノ・コトを使ってお客様のビジネスををサポートしています。特に地方で頑張る中小企業の業績を一緒になって伸ばしていくのに生きがいを感じます。自社Webメディア複数運営。最近はゲーム配信も少々。

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