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地方の企業もドメインの価値をもっと重視するべき

地方の企業もドメインの価値をもっと重視するべき

Webを中心に集客している企業や個人なら当然のことなのですが、意外と認識していない人も多いのが「ドメインの価値」です。

インターネット上での活動が大きな比率を占めるようになった昨今、ドメインはビジネスを営む上でとても重要な要素です。これを軽んじることは、長い目で見ると無視できない機会損失をもたらすこととなります。

ドメインは、一度取得したらその事業が続く限り永遠に使い続けることを基本的な姿勢とし、出来得る限り慎重に取り扱うべきです。

経営者や事業責任者はドメインの価値をもっと重要視するべき

地方では、まだまだコネクションで仕事が発生する企業や個人において、特にWebマーケティングを実施していないという事業者さんも多く存在します。

また実際には集客の何割かをWebを通じて得ているのにも関わらず、その事実をそれほど重要視せずにドメインについて無頓着な場合も多く見受けます。

しかし、Webで集客しているかどうかに関わらずどんな事業を営んでいる場合でも、経営者や事業責任者はドメインをもっともっと重要視するべきです。

実際にあった事例をご紹介します。

検索上位表示しているURLを捨てる寸前だった事例

弊社が携わっていたWebサイトに「名古屋 ○○○(業態名)」という検索語句で、長く1〜2位表示を獲得していたページがありました。該当ページは、運営企業ドメイン配下のサブディレクトリに設置していたものです。

しかし、そのページで紹介している事業を別の方に譲渡することに。譲渡元企業は弊社と長くお付き合いさせて頂いていたのですが、譲渡先との取引関係はありません。

譲渡元に「ドメイン、どうしますか?リダイレクトしますか?」とお聞きしたところ、「リダイレクトだけお願いします」とのとこと。

ところが、譲渡先が新たに作ったWebページは「ペライチ」でサクッと作ったもので、URLが「https://peraichi.com/landing_pages/view/○○○○○○○○」。独自ドメインの取得はありませんでした。

ペライチを利用する場合でも、有料プランを契約して、別のドメイン取得サービスでドメインを取得し、DNS設定をすれば問題なく独自ドメインでの運用が可能です。

しかし残念ながら譲渡先の事業主は、そのような知識はお持ちでないようでした。

もちろんこのURLにリダイレクトしてもよかったのですが、将来的なことを考えれば独自ドメインで運用はマストでしょう。GoogleはURL毎(ページ毎)に評価して検索順位を決定すると思われますが、ドメイン自体はペライチのものであり、譲渡先の資産にはなりません。そしておそらくペライチにリダイレクト機能はないはずですし、一度評価が確定してしまうとずっとペライチドメインでの運用を強いられ、好きなタイミングでのサービス移管などが不可能となってしまいます。

またこのページは、私自身が該当クエリで上位表示するまでの過程を見ていたこともあって、評価が喪失するのは余りにももったいないと感じていました。

そこで、事業譲渡先にドメインの重要性をお伝えし、なんとかドメインの価値を引き継いでもらえるように依頼。独自ドメインの取得、ペライチのプラン変更をしてもらい、弊社にてDNSの設定と、新規に取得したドメインへのリダイレクトをしました。

これにより、現在のところ上位表示しているGoogleでの検索結果画面から、無事に譲渡先のページに遷移します。

ただし、まだリダイレクトとなっていてインデックスは譲渡元のまま。インデックスが新ドメインとなった場合に表示順位がどう変動するかは、今回の業務範囲を超えるのでノータッチとしました。

記事制作時点で確認したところ、インデックスが新ドメインになっていました。しかしやはり若干下落しています。以前このページを内包していたドメインには多くのリンクが付いていること、新しいドメインが1ページのみで、コンテンツとして非常に弱いことが原因と考えられます。

ドメインは、事業を営む上で最重要要素のひとつ

この事例のようにドメインの価値を認識していない事業主・経営者の方は、思いの外多いように感じています。

Webサイトを利用して理解を得る、集客をする、売上をつくるなど、昨今の事業運営にはWebの活用を抜きにしては考えづらくなっています。そして、様々な施策の中心となり得るWebサイトのドメインは、事業運営において最も重要な要素のひとつだと考えています。

だからこそ、ドメインを一度取得したら何があっても手放さないようにしていただきたい。

もちろん一度も運営歴がないような、とりあえず取得したドメインは放出してもらってもよいとは思いますが、企業を代表するような「○○○○(屋号).co.jp」 や、その事業を代表するドメインは、少々お金がかかっても事業が続く限り維持してください。

そしてもし事業運営や企業の経営が難しくなっても、できるだけ手放さないようにしていただきたいと考えています。

Web上の住所というだけでなく、評判を積み上げるところ

ドメインは、インターネット上の所在地を表すものです。その仕組については割愛しますが、世の中にひとつだけしか存在しない住所となります。

そしてそのドメインには、失うには余りにも大きすぎる価値が付く場合があります。

例えば、

これらは超有名企業のドメインですが、誰が見ても「あ、あの会社だよね」と認識させる力がありますし、実際にアクセスしてみても、その企業のWebサイトにアクセスできます。

そして、今回この記事のように、世界中から無数のリンクが貼られ、アクセスを送り込まれています。

どうしてリンクを貼るのかといえば、このURLが超有名企業のものだから(要するに企業の価値が高いから)です。この一本一本のリンクが、企業の評価から得られているものです。

裏を返せば、リンクによってURLの評価を算出できる、とも言えるわけです(が、もちろんそれが原因で悪質なリンクスパムが横行したことも事実です)。

つまるところ、企業が正しい行いによって価値を社会に提供し続けていれば、それがSNSであれブログであれ、取引先のWebサイトであれ、何らかのかたちによってリンク付きでインターネット上で紹介される。もしくはたとえリンクがなかったとしても前後に関連する文字列とともに言及される。

こうして積み上げた価値は、そのドメインそのものに紐づきます。

この評価の積み上がったドメインを万一雑に扱い野に放ってしまったら、今まで積み上げた評判を捨てるだけでなく、その評判を悪用される可能性すらあるのです。

それでは、ドメインの価値を高めていくためにできることには、何があるのでしょうか。

ドメインの価値を高めていくためにできること

先程も触れましたが、ドメインの価値を図る指標のひとつに外部からの「リンク」があります。それに、インターネット上で言及される回数、そしてその前後にある文字列も関係あるでしょう。Webサイト上でのユーザーの行動も影響しているでしょう。

それらを得ていくためにできることは、極端に言えばひとつしかありません。

「共感されることをして、それをしっかりと伝える」

これによって、いわゆる自然なリンクや「サイテーション」と言われるネット上の言及、そしてそれらからの指名検索行動などが得られるのです。

これをショートカットして、いわゆる「リンクを買う」という行為に及ぶのはドメインの重要性を理解していれば避けられるはずです。

ただし私は、すべてのリンクを意図的にもらう行為が否定されるべきではないと考えています。関係性のある企業などにWebサイトで紹介を依頼するのは普通だと思いますし、仮に2つの企業が一緒に行った企画を、相互のWebサイトやSNSで紹介するのは当然のことだからです。

ただし、そういったリンク獲得をメインに考えるのではなく、あくまで

  1. 共感されることをする
  2. それをしっかりと伝える
  3. その結果、リンクや指名検索が増える

というフローを意識してください。

そして、ドメインは非常に重要なものであり、安易に変更したり、契約を止めてはいけないということも理解しておいていただきたいと思います。

著者情報

佐藤崇史
佐藤崇史代表取締役
Webの色々を中心に、様々なモノ・コトを使ってお客様のビジネスををサポートしています。特に地方で頑張る中小企業の業績を一緒になって伸ばしていくのに生きがいを感じます。自社Webメディア複数運営。最近はゲーム配信も少々。

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