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SEO、指名検索がどんどん重要に=ブランド価値を高めるしかない

SEO、指名検索がどんどん重要に=ブランド価値を高めるしかない

検索流入、増やしたいですよね。

表面的なコストはかからない(ように見える)し、なんか勝手にじゃんじゃん流入してくれる(ように見える)し、さらには一般クエリでの検索流入は購買意図強めだから、たくさんコンバージョンしてくれます。

控えめに言って最高です。

でも、最近のGoogleの傾向によって、検索からのアクセスを集めるのはそう簡単ではなくなりました。

もちろん以前もそんなに簡単ではなかったのですが、まだまだ第三者が運営する情報サイトでも上位表示が可能で、ジャンルによっては検索結果画面に情報サイトだけが並ぶような状況もありました。

要するに検索結果画面をハックできた。

しかし最近は、公式サイトが多く上位表示され、情報サイトが苦戦することが多くなっています。また、自身で事業を運営していて公式サイトとして運営していても、一般クエリではGoogleがまったく評価してくれないといったこともあります。

この記事では、どうしたら事業主体の運営するサイトとして認識してもらい、意図したクエリで上位表示すればよいのかを考えてみました。

公式サイトが強く、情報サイトが相対的に弱くなっている

以前アフィリエイトサイトを運営していたからわかるのですが、公式サイトではなく、第三者である情報サイトは、購入に直結する「近いクエリ」での上位表示が非常に難しくなってきました。

健康や金銭に関するジャンルは特に顕著ですが、その他のジャンルでもその傾向はどんどん強まっています。

ひと昔前は「良いコンテンツを作ることこそが、SEOでは最も重要」と言われてきました。

しかし少し立ち止まって考えてみればわかるのですが、Googleの機械学習がいかに優秀だとしても、「人間にとって良いコンテンツかどうか」をユーザー行動からアルゴリズムが判断するのは、今の所それほどうまくいっていないように思います。

メルカリ内などでの検索に比べれば、Googleはとても優秀だとは思います

Googleがページのランキングを決定する要因は200以上あると言われていますが、

  • 文字数を多くする
  • 共起語を網羅する
  • 良質なリンクが多く貼られている
  • 実際に流入がある
  • 運営歴がある程度ある
  • 更新頻度が高い

などなど、以前は定量的な判断指標を重視してランキングが決まっていたと思われます。

これらはハックできますし、実際に多くの人や企業が検索結果画面を競ってハックしていました。

しかしこのような定量的な指標を見ても、コンテンツの良し悪しが判断できるはずがありません。作家による素晴らしい文章が、決してSEO的に強くないのは想像に難くないところです。

そこで”現時点では“、Googleは「良いコンテンツ」の判断を“ある程度”諦めたのだろうと推測します。その代わり「公式サイト」を強めた。実際に製品やサービスを提供している企業が提供する情報なら、ある程度信頼できるという認識のもとに、だと思われます。

そういった経緯から、いわゆる「公式サイト」の強みを活かすために、同ドメインのサブディレクトリでメディア運営をはじめる企業も出てきましたし、さらには公式サイト認定されるために先にサービス展開をして一通りマーケティング活動を行ったあと、メディア運営を始めたのではないかと推測される例も確認しています。

とにかく、SEOで集客するにも公式サイト上で展開するほうが有利だよね、という流れになったのです。

そこで浮上する疑問が「その“公式”とは何なの?」です。

公式である強みを活かすには

Googleに「公式認定」されるとはどういうことでしょうか。

ただ単純に、アクセスを集めたいジャンルの製品やサービスを事業として製造・運営していれば公式としてランキング上位に表示されるのでしょうか。

それは最低限のこと※であり、検索上位表示が激戦となっているジャンルではそれだけでは難しい。なぜなら、その真偽をGoogleが判断するすべがないからです

※「最低限のこと」ですら無いかも知れないけれど、文章が読みにくくなるのでここでは端折ります

弊社でお手伝いしているお客様に、激戦となっているジャンルで実際に事業を営んでいる法人があります。口コミを見る限り良いサービスを提供されているのですが、自然検索ではなかなか苦戦をしていまして、広告で集客しているのが現状です。

その理由として、おそらく多様なテールクエリでの表示をするほどGoogleから公式認定されていないのではないかと推測します。

それはなぜか。

おそらく、ネットでの言及が少ないからでしょう。

ちなみに「いわゆる公式サイトが優遇されている?」とGoogleの中の人に聞いたら「そんなことないでしょ」って一蹴されました。だから「公式認定」という言葉に語弊があるのは認識していますが、進めます

ただ何か商品をつくれば公式認定されるわけではありません。それがWeb上で言及されないといけない。

おそらく、Googleがまず一番に見ているのは当然ながらGoogleに打ち込まれる検索クエリでしょう。屋号、ブランド名、商品名で検索されることが重要で、その屋号等がユニークで、1位に表示されていて、サイトリンクも出ている状態が理想だと考えます。

またローカルビジネスであればGoogle Mapsでの検索も重要でしょう。全国チェーンの店舗ビジネスで、全国で検索されて経路検索されていて、その数が競合より多ければ、当然それは影響するはずです。

その他に言われているのは、SNS上での言及。いわゆるサイテーションと言われるものです。この頻度や関連クエリも見ているだろうとは言われています。

あとはブラウザによって計測できるのかという問題はあるものの(GAの数値は使っていないらしい)、Chromeを使っている人であれば、例えばQRコードを読み取るとか、URLを直接コピペするとか、メルマガから流入するだとか、そういったことも見ているのではないかと思います。

でも、とにかくわかりやすいのはやはり指名検索でしょう。そして屋号とセットで派生クエリが検索されればなお良いと考えます。例えば、「社名 + SEO」などでしょうか。

また、サイトが内包するキーワードを見て関連付けるはずです。これは広告の機械学習では思いもしないクエリで関連付けて表示されていることからも想像しやすいですね。さらに言えば指名検索の前後の検索クエリとの紐付けもしていると思います。

そして、指名検索のボリュームが大きければ大きいほど、該当するジャンルでいわゆる「公式」だと認識されるのではないかと考えています。

指名検索を増やすためにできること

それでは、企業や個人が屋号やブランド名での検索数を増やすためにできることはどんなことがあるのでしょうか。

それは前回のブログとも紐付いてくるのですが、

  • まずは良い商品をつくる
  • そして各種広告や、イベントや、その他リアル施策などでそれを伝える

ということに尽きるのではないかと思います。

ただしこうなると、それこそどうしても大きな企業が有利になってきます。まるで「r > g」の不等式のように。

例えばTVCMを継続的に出向し続ければ認知度は一気に上昇して、屋号やブランド名での検索が増えますからね。

弊社が以前運営していたメディアでも、ある商品について書いたコンテンツのリアルタイムのアクセス数が突如1,000を超えたときなどは「あ、いまTVCM流れたかな?」などということが容易に想像できました。

このケースは、公式優遇の流れが始まったくらいのことで、いまでは難しい状況になっています。

それでは、弱者はSEO戦線においてどうやって戦っていけばよいのでしょうか。

僕は、SEOはランチェスター戦略で説明しやすいと考えています。局地戦での勝利を重ねていくしかない。より競合の少ないクエリで上位表示を重ねつつ、リアルでの認知を促し、Web上での言及を少しずつ増やす。もちろん正当なリンクビルディングも欠かせません。そして指名検索された場合に1位表示されることはとても重要ですから、社名やサービス名などがユニークかつ簡潔である必要があります。

そういったことを考えると、よりボリュームの大きなクエリに対して事業規模がある程度(間接的に)検索順位に反映されるのは、まっとうな状況なのかも知れません。明らかにビジネスが優れている(=支持されている=言及数が多い)企業のWebサイトが、そうでない企業のサイトより上位表示されるのは、ある意味では正しい状態だとも言えるからです。

結局はブランドづくりをするしか無い

弊社のお客様で月間10万PVほどのサイトがあるのですが、このサイトは検索流入の50%がブランド名。そして、ブランド名+派生クエリを合わせると、9割程度を占めます。

また、ページ/セッションは7で、流入した人がたくさんのページを見てくれていることがわかります。

業態によってはテールのクエリを取りに行く必要もあるかも知れませんが、この企業では不要だと判斷しています。市場価格よりかなり高価な商品を取り扱っているため、一般クエリで流入してきた方が顧客になるとは思えず、無駄な問い合わせが増えることが予想されるからですね。

そこにリソースを割くのではなく、例えばカスタマーサポートや、ブランド価値を伝える動画や文章などのコンテンツ、商品開発などに注ぎ込むことを優先しているのです。

このような活動が、SNSでの言及を多く生んでいます。もちろん「バズる」ほどのことではありませんが、全国の販売店や雑誌が度々ブログやWebサイト、そしてリアル媒体で取り上げてくれるので、それが指名検索を増やすことになります。

一般の中小零細企業にとって検索結果で上位表示するために一般クエリを狙ったSEOをするのはジャンルによっては非常に難しく、不安定であり、ひょっとしたら無駄な投資になってしまう可能性を孕んでいます。

だから、SEO上位表示を謳う営業には慎重に接して欲しい。

もちろんそういった一般クエリを狙うことを否定するわけではありません。

しかしその前に、まずは良い製品やサービスをつくる、そして様々な施策によって自社のサービスを知ってもらう努力をする。その結果ネット上での言及を増やし、正当なリンクをもらうことによって、ドメインの信頼性を伝える。

その先に、より大きなボリュームのクエリで上位表示する可能性が出てくるのではないでしょうか。

ただし、一般クエリでのSEOに依存した集客はGoogleのアルゴリズム変更で大打撃を受けかねないので、やはり指名検索づくり=ブランドづくりを基本戦術として考えるのがよいと考えます。

著者情報

佐藤崇史
佐藤崇史代表取締役
Webの色々を中心に、様々なモノ・コトを使ってお客様のビジネスををサポートしています。特に地方で頑張る中小企業の業績を一緒になって伸ばしていくのに生きがいを感じます。自社Webメディア複数運営。最近はゲーム配信も少々。

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